橋の上で:湯本香樹実著のレビューです。
おはなしの感想
最初に読んだとき、話の内容を理解できなかった。これはどういった絵本なのだろう?と。なんとなくだけど、すぐに再読する気持ちにもなれず、数日あけてから読みなおす。
橋から川を眺める時ってどんな時?
少年は悩みを抱えていた。橋から川へとびこんで死んだら、自分を苦しめた人たちへの仕返しになるかもしれないって。
その時、どこからともなく雪柄のセーターを着たおじさんがやって来て、僕に話しかけてきた。そして不思議なことを教えてくれた。
おじさんがなにを教えてくれたか......は、本の中で。
主人公のように、ここから川にとびこんだらどうなるだろう?って、こどもの時の自分も考えたことがあったかもしれないな。それは死ぬとかじゃなくても。
もしかしたら橋はあの世とこの世を掛けるところでもあるんじゃないかって、このえほん読みながらふと思う。橋って不思議な場所なのかもしれない。だから、最初に読んだとき、本能的に怖さを感じたのかも。
「おかえり」って言葉に、気持ちが軽くなる。
と同時に、大人になった少年が見ている世界には色が戻って来る。
明るく見える世界はちょっと眩しいけど、この風景が見られたことに安堵する。
こどももおとなも辛い時に回避できる手段を知っているといいなと思います。どんなやり方でもいい。自分なりの方法で立ち止まれる、冷静になれる手段を身につける。口で言うほど容易いことではありませんが、そんなことを本書から感じ取ることが出来ました。
このえほんについて
対象年齢 小学校低学年にはちょっと難しいかも?高学年くらいから、大人も!
ページ数 48ページ
合わせておすすめの本
「橋の上で」の絵を担当している酒井駒子さんの絵本も合わせておすすめです。