ねことことり:たてのひろし著のレビューです。
ねことことり:たてのひろし(世界文化社)
感想
とても心のあたたまるおはなしでしたよ。
不覚にも、ちょっと目頭が熱くなってしまいました。
ねことことりの組み合わせって珍しい気もしますね。
どちらかと言えば相性がわるそうですが、本作では全く違うんです。
表紙のねこさんは一人暮らし。
清潔なお部屋で紅茶を飲んでいるシーンからはじまります。
(どんな紅茶を飲んでいるか、これがクスリと笑える)
昼間は小枝を束ねるお仕事をしているようなんですね。
窓をいっぱいに開けてお仕事をしていると、小鳥がやってきます。
どうもこのことりさん、巣作りするために小枝が必要で、
ねこさんにわけてもらいたいようですよ。
毎日少しずつ小枝をわけくれるねこのもとにことりは通います。
ねことことりは仲良くなったのですが、
やがてことりはいそがしくなって来なくなりました。
ねこは枝をことりにあげたので、仕事の収入は減ってしまうし、
ことりの歌も聴けなくなって、とても寂しい思いをします。
*********
このねこがねぇ、なんか奥ゆかしいというか、
ことりのことをとても思いやっている感じがグッとくるのです。
そしてことりと会えなくなった寂しさがひしひしと伝わってきて.....切ない。
でも、この物語は決して終わりません。
幸せな光景が再びわたしたちの元にやってきます。
優しい気持ちがいつまでも....そんな幸せな気持ちが溢れます。
とにかく絵が美しい。そしてなんかこの子たち、お洒落だぞ!そうそう、この絵本は、公益社団法人全国学校図書館協議会が主催する「日本絵本賞」に入賞したんだって!
対象年齢
こどもから大人まで。誰が読んでも優しい気持ちになれるえほん。
たてのひろしプロフィール
1968 年、神奈川県生まれ。絵本作家・生物画家。幼少期より、 熊田千佳慕氏に師事。美しい細密画で多くの人々を魅了してい る。2017 年、『つちはんみょう』(偕成社)で小学館児童出版 文化賞を受賞。絵本に『しでむし』『ぎふちょう』『がろあむし』(偕 成社 )「、みかづきのよるに」「うんこ虫を追え」(福音館書店)、『あ まがえるのかくれんぼ』『あまがえるのぼうけん』(世界文化社) など、読み物に『ソロ沼のものがたり』(岩波書店)がある。(Amazonより)
合わせておすすめ
このサイトが出来る前に書いていた絵本の紹介はこちらにあります!(^^)!