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【感想・あらすじ・レビュー】たいふうがくる:みやこしあきこ

 

 

たいふうがくる:みやこしあきこ著のレビューです。

 

たいふうがくる:みやこしあきこ

感想 せっかく海に行くことになっていたのに台風がやって来る

年々、台風の規模が大きくなっていくと感じる。

しかも台風って夏に集中するものだから、こどもたちにとっては迷惑そのもの。

 

主人公のおとこの子は、明日から家族と一緒に海に行く予定です。

でも、台風が接近中。

最高に楽しみにしていたのに。

 

お父さんもお母さんも台風に備えて色々準備をはじめました。

まるで海のことを忘れているかのように。

それを寂しそうにみているぼく。

 

浮き袋抱えて、ことの成り行きを心配しているぼくの気持ち、

痛いほど伝わって来ます。

 

やがて雨が強まって来て、寝るころには外は大荒れ。いろいろな音が聞こえてきます。

ふとんをかぶって寝る少年は「台風を追い払う機械」があるといいのに...

と思いながら夢の世界へ。

 

そこでみた景色は......。

 

 

 

*******

明日が学校だったりすると「ひょっとして休校になるかも?」と、ちょっとした高揚感が起きた台風。夜遅くまで台風のニュースを見て寝た記憶があります。結局、朝起きたら台風一過、キラキラした太陽が顔を出すなんて展開がほとんどだったなぁ。

昨今の台風は怖すぎてそんな高揚感もなく、ただただ過ぎ去って欲しいと思うことが多くなった。

 

みやこしさんの絵本は淡いトーンの絵が多いですが今回はモノクロです。だから余計に台風の雰囲気が伝わって来る。このトーンは少年の心の色を表しているかのようでもある。そしてこのモノトーンのイラストの意味が最後に解る。いいなぁ、こういうの!

対象年齢

台風のことが分かる子ども、台風のことをよく知っている大人も楽しめるえほんですよ。

みやこしあきこプロフィール

1982年埼玉県生まれ。武蔵野美術大学卒業。大学在学中から絵本を描きはじめる。2007年より1年間ベルリンに滞在。2012年『もりのおくのおちゃかいへ』(偕成社)で、第17回日本絵本賞大賞を受賞。『よるのかえりみち』(偕成社)で、ボローニャ・ラガッツィ賞特別賞、ニューヨークタイムズ・ニューヨーク公共図書館絵本賞を受賞。作品に『ピアノはっぴょうかい』『これ だれの?』『ぼくのたび』(ブロンズ新社)、『のはらのおへや 』(ポプラ社)、『かいちゅうでんとう 』(福音館書店)他多数。1児の母。東京都在住。(絵本ナビより)

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