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【レビュー】ぼくの ポーポが こいを した:村田紗耶香

 

ぼくの ポーポが こいを した:村田紗耶香著のレビューです。

恋の絵本 (5) ぼくの ポーポが こいを した

恋の絵本 (5) ぼくの ポーポが こいを した

 

 

村田紗耶香さんがえほんを書くと!?

 

恋の絵本シーリズの一冊です。

村田紗耶香さんが絵本?これはまたちょっと怖い感じ?歪む感じなのか~と、読む前からゾワゾワ感はありますが、なんてったって「恋の絵本シリーズ」ですもの。小説の村田ワールドとは違うだろう、タイトルだってほのぼのしている。平気平気とページをめくった。

 

ぼくのポーポなのに・・・・。

これだけの言葉なのに、少年のやるせなさのすべてが詰まっている。

 

ポーポは少年がサンタにもらったくまのぬいぐるみ。

なのに恋をしちゃったのです。しかも、おばあちゃんと。

ふたりは結婚もきまりました。

 

少年はふたりのことが気に喰わず、お母さんたちに訴えかけたり、

ポーポとおばあさんと話し合ったりします。

 

「きもちがわるいよ」

こんな言葉まで、少年の口から出てしまいます。

 

少年は、ふたりの結婚を認めることができるのか?

変化は結婚式の日に起こります。

 

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短い話ではあるのですが、恋をすること、LGBTの家族、常識とは?そして、成長などが、ギュッと詰まった内容であることが窺えます。ぬいぐるみと結婚すること自体、ちょっと奇異な目で見てしまうし、このおばあさんのウエディングドレスは真っ黒で、一瞬ギョッとさせられる。でも、これって自分の中にある「結婚のカタチ」と違うから驚いたのだ。

 

どんなカタチであっても、自分が幸せであることがどんなに尊いことであるか、このおばあさんとポーポが私たちに教えてくれる。

 

村田さんらしいなって思える部分も無きにしも非ず。素敵なお話でした。