キオスク:アネテ・メレツェ著のレビューです。
感想・あらすじ:世界は意外なことから開かれる!?
スティホームとは言うけれど、
もし、物理的に家から出られなくなったら、本当の意味で世界が変わる。
想像しただけで怖いですよねぇ。
キオスクで働くオルガ。
小さな建物で、小さなものを売るオルガ。
顔なじみのご近所さんや観光客の道案内など、
いろんな人々と接する毎日。
夜になっておうちに帰るのかと思いきや......
オルガはそのままキオスクで過ごすのです。
オルガはキオスクから出られないのです。
どうしてこうなっちゃったのか。
オルガのからだが変化したからなのか?
ドアが小さくなってしまったからなのか?
理由は解らないのですが、
キオスクのドアは小さいから、大きいからだのオルガは出られない。
でもオルガには夢がある。行きたい場所がある。
そんなオルガ、万引きした子を追うために店から身を乗り出したら、
なんと、なんと、店ごと倒れてしまいました!!!
あらら、意外にもキオスクは簡単に持ち上げられ、
そのまま立って歩くこともできました。
自由に動けるようになったオルガ。
.........しかし、悲劇が待ちわびていました。
でもね、この悲劇。なんだかちっとも悪くない。
むしろこの先、楽しいことが待っているわくわく感がなぜかある。
結末はお楽しみということで。
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ちょっとシュールでハラハラするんだけど、終始楽しかったなぁ。
読み終わるころにはすっかりオルガのファンになってしまった。
いつかうちの街にもオルガのキオスクが来てくれたらいいな。
えほんの楽しさってこれだよなぁ。どうなるの?どうなるのって。
子ども時代、えほんを読んで高揚していた自分の記憶がうっすら思い出された。
とてもユニークなえほん。今年のナンバーワンえほんだな!(まだ今年は終わってないけど)
アネテ・メレツェのプロフィール
1983年、ラトビア生まれ。ラトビア芸術アカデミーで視覚コミュニケーションを学び、ルツェン応用科学芸術大学でアニメーションを学んだ。現在はスイスのチューリッヒに拠点を置き、イラストレーター兼アニメーションディレクターとして活躍。(Amazonより)