ひだまり:林木林著のレビューです。
他人に対して優しくしたり、譲ってあげたり、思いやを持ったり。
こういうことは、いつ、誰から教わったのだろう?
まずは家族からかな。
おかあさんやおとうさんの優しさに触れた記憶をベースに、つぎは友達や先生等々、成長過程で様々な優しさに触れ学んでゆく。
では、動物はどうなんだろう。
ネットの動画なんかで 普通は敵対心を燃やすと思われる動物と動物が一緒に暮らしていたり、助け合っていたりするシーンに出くわすことがある。ひいては自分の子と一緒に子育てまでしている動物もいる。すごい母性ですよね。
そんなことをぼんやり考えた「ひだまり」は二匹の猫の話。
トラビスはちょっとやさぐれている。乱暴で野良猫のワル代表みたいな猫なのです。
そんなトラビスは親切で優しいミケーレと出会います。
トラビスは一緒にいることの幸せとか、相手に対する優しさをミケーレから学びます。
しかし、そういった時間も長くは続かず、トラビスは再び・・・・。
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ものすごくせつない絵本です。
大切な相手がいるということは、いつか失うという悲しみと背中合わせである。
それは本当におそろしいこと。それでも残るものもたくさんあるんですよね。
トラビスはそれを見つけ出すことができるのかな?
ミケーレが遺していったものは、いつでもそこにある。