細菌ホテル:キムソンファ/クォンスジン著のレビューです。
なんとユーモラスな えほんなのでしょう。
そして、なんとためになるえほんなんでしょう。
コロナのせいで「菌」に対して今まで以上に神経質になっている昨今。
人間をおびやかすわるい奴らをやっつけてしまおう!
....的なホテルのはなしなのかな~って思っていましたが、
読めば読むほど、なんだか細菌たちが愛おしい存在になっていく感じがこのえほんの楽しいところ。
「細菌ホテル」という斬新な名前のホテルは、私たちの体の中。
一番上の階は「髪のまわりの汗の穴」、一番下の階は「足の指」。
「細菌ホテル」にはたくさんの細菌たちがやって来ています。団体客さんも(笑)
わたしたちの体なのに、わたしたちが覗けない「細菌ホテル」のなかで、
一体細菌たちはどんなことをしているのでしょうか?さっそく中に入ってみると・・・・。
内部はそれはもういろんな部屋があって、細菌たちがさまざまな行動をしています。
その姿かたちがお茶目な雰囲気。
しかし、悪いお客さんもたまにやって来る。そう、憎き「病原菌」だ。
さぁ、「免疫細胞」の出番だ。
それでもダメなら、われわれには「抗生物質」が付いている!!
しかし、抗生物質もてこずることが・・・・。
すると、大変なことが!?
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細菌の役割的なものは、ざっくり理解しているつもりでいたけれど、本書を読むことによって、そのざっくり感から抜け出し、人間と細菌の関係性が明確になった。
こんな風に学べるえほんは久しぶり。わくわくしながら頷いていた。
そして、ラストに見せる細菌の姿が、なんとも言えない哀愁とユーモラスな話になっていて、思わずクスクスと笑ってしまうのであった。ご苦労さん。
おとなもこどもも楽しく学べる一冊です。
おまけのページにはさらにわかりやすい解説が載っていて、内容のまとめとして便利。