ちいさな魔女とくろい森:石井睦美著のレビューです。
感想・あらすじ
魔女って一体どんな仕事をして、どんな生活をしているのだろう?
「魔女図鑑」を読んでいるので、なんとなく想像は出来るのだけれども、今回、このえほんを読んで、魔女の役割や、一人前の魔女になるになるためには結構な努力が必要ということが分りました。
大きい魔女と小さい魔女が、いちわのからすと一緒に森へやって来ます。
この森、なんでも病気なのだそう。
森が病気?
そうか、森も生きものですものね。
でもそんなとき、どんなお医者さんを呼ぶのかまでは考えもしなかった。
いろいろな動物たちが魔女が来るのを待っているようです。
ずんずん森の奥へ行くと、そこには大きな魔女が昔暮らしていた家がありました。
そして、大きな魔女はそこで「森のくすり」を作ります。
時間をかけて、呪文を唱えて、くすりを作ります。
やっとできたくすりを持って、ふたりは森の治療をはじめます。
しかし、なかなか森はよくなりません。
どうやら、ゆっくり、ゆっくり良くなるようです。
そんななか、南の森もまた病気になってしまいました。
大きい魔女は行かなければなりません。
小さな魔女はこの森に残ることにしました。
その前に、くすりを作ることの特訓がはじまります。
さて、小さい魔女はこの病気の森を治すことができるのでしょうか?
小さな魔女が自立する様子が描かれています。とても健気に頑張る姿が印象的です。
そして自然に対する敬意を忘れてはならないことを、母親である大きな魔女が教えていることがとても印象的でした。
魔女は薬草作りをしますよね(魔女図鑑に確かあった)
自分たちを助けてくれる薬草、そして、その自然が病気になったら、今度は助けてあげる立場に変身。持ちつ持たれつ、自然と人間?との良い関係性も窺える話でもありました。
薄暗い森と月夜の挿絵が素敵な物語。
はやく森が元気になりますように!
このえほんについて
出版社 文溪堂
発売日 2019/3/18
ページ数 32ページ