ベッキーのたんじょうび:ターシャ・ターシャ・デューダー著のレビューです。
感想・あらすじ
「おたんじょうびの朝だわ。わたし、10歳!」
ベッキーはひとつ大きくなった喜びをかみしめます。
これまでいろいろなおたんじょうびがあったと思うのですが、ベッキーみたいにおたんじょびの喜びをかみしめるなんてことは、大人になるとないなぁ....と、改めて思う。むしろ「よくぞ、ここまで頑張った」という労い感の方が強い。
「子どもには、一生忘れられないだろう思い出をあげること」
ターシャ・デューダ―の子育ての極意、その一、だそうです。あいにく、ターシャは離婚してしまいましたが、子どもたちにはこの願いがしっかり叶えられたことが分かります。そう、この本は、ターシャが自分の娘に創り出した、みごとな誕生日、ほんとうにあった話なんだそうです。
さぁ、ベッキーのおたんじょびの一日がはじまります。
家族みんなでとる朝食、村までの買い物、畑仕事、料理、アイスクリーム作り、等々、のどかな田園風景といきいきとした人々の生活が描かれています。
心地よい澄んだ空気を運んできてくれるような美しい絵の数々。夕方からはじまるパーティのウキウキ感も、ページ全体から感じられます。
そして、いよいよ「おたんじょうびのピクニック・パーティー」の始まりです。
おとうさん、ねえさん、にいさんたちは、すでに先に行っています。
特にわたしがこの話で気に入ってる部分は、ベッキーがおかあさんとふたりで川へ向かうシーンです。ベッキーは出かける前、手作りのお花をおかあさんにプレゼントをします。この場面から、たんじょうびという今日の日が、娘のベッキーだけでだく、生んでくれたおかあさんの日でもあるのだなぁと感じさせられものがあり、じんわりと優しい気持ちになりました。
(ベッキーの誕生日:ターシャ・デューダー P28~29 メディアファクトリーより)
ピクニックパーティーは夕方から日が沈むころからはじまります。とても幻想的で素敵な雰囲気!さて、どんなサプライズが待っているのでしょか?
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ターシャ・デューダ―の本は何と言っても絵が素敵!なんだかずっとこの本の中にとじこもっていたい!なんて、気分にさせられるのです。人も動物も植物も本来の、いや、それ以上の美しい世界を私たちに見せてくれるのです。