はなのすきなうし:マンロー・リーフ著のレビューです。
人に流されずに生きるってなんだろう?
マイペースな人ってどんな場面のときその性質を発揮するのだろう。
人に流されないマイペースって聞こえは良いけど、時に周りを顧みないだけに、自分勝手であったり、迷惑だったりすこともある。「自分は自分」「人は人」って言い聞かせてみるものの、なかなかそうはいかないこともある。こんなことを考えることが人生にはたびたびある。
主人公のふぇるじなんどはこうしです。小さい頃から他のこうしのように飛んだり、跳ねたりすることなく、いつもひとり静かにこかげに座って、花の匂いをかいで過ごすのが大好きなこうしなのです。
お母さんはそんな我が子が心配で声をかけますが、ふぇるじなんどは「こうすることが好きだ」と言うので、お母さんもそのままにしておくことにしたのです。
やがて大きくなり、ふぇるじなんどは、ある出来事をきっかけに、闘牛に出場することになるのですが・・・。
誰もが強いうしになって戦いに挑むことを望むなか、ふぇるじなんどは自分の世界を守ります。それはもうなんだか泣き笑いしたくなるほど滑稽なのですが、自分のしあわせが何であるか知っている賢さと、それを守る強さをふぇるじなんどからは感じ取れます。
大人になってサイズ違いのことをしているな。無理しているなって思った時に、この絵本を読むと荷が下せるような、ちょっとだけ楽な気持ちになります。
お茶目顔のふぇるじなんど君。お花に囲まれてしあわせそう。このにぎやかな装丁をこどもの時に見た方も多いはず!
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