えほんの本棚

おとな目線で読む絵本の世界をご紹介します

【レビュー】おじいちゃんの小さかったとき:塩野米松

 

 

 おじいちゃんの小さかったとき:塩野米松著のレビューです。

おじいちゃんの小さかったとき (福音館の科学シリーズ)
 

 

「おばあちゃんの小さかったとき」が読みたくて、図書館に予約を入れていたら、先に「おじいちゃん」を図書館で発見!どちらも読みたかったのでラッキーでした。
 ということで、昔の男の子たちの様子がたくさんの絵と共に紹介されています。
 
実は31年前に「父さんのちいさかったとき」という本を同著の塩野さんは出版されています。塩野さんのお子さんがまだ小さかった時に「父さんが小さかったとき」のことを話し聞かせるものだったそう。
 
父さんの小さかったとき (福音館の科学シリーズ)

父さんの小さかったとき (福音館の科学シリーズ)

  • 作者:塩野 米松
  • 発売日: 1988/03/01
  • メディア: 単行本
 

 

 
しかし、そのお子さんも大きくなってパパやママになって、こどもが居る。
塩野さんは「おじいちゃん」になったのです。
 
なんと、そのお孫さんがおじいちゃんが作った本を図書館で見つけ借りて来たそう。
そこで今度は孫に話し聞かせる本を作ろう!ということで出来たのがこの本。
 
30年の時を経て、今度はお孫さんたちのために絵本として残すおじいちゃん。
素敵ですね。
 
本書には自分の世代でも知っている遊びも多数ありました。
昔の方が女の子と男の子の遊びがはっきり分かれていたような印象があります。
そして、圧倒的に外で遊ぶ風景が多いなと感じます。
 
学校の様子も面白いですね。
悪いことをして、外や廊下に立たされることってもうないだろうな。
耳を引っ張って教室から出されるなんてことは、絶対ないだろう。
 
塩野さんは雪国育ち。
川の土手でスキーをしたという。
しかも、スキー板やそりを自分で作る子もいたそうです。
こどもながらにして職人です。
 
平成のこども、令和のこどもたちは、このおじいちゃんの話をどんな風に読むのでしょうか?本に出て来るお孫さんのように、たくさん聞きたいことがあるに違いありません。
 
新しい時代をこれから作って行くこどもたちへ、役に立つように......という想いがたくさん詰まった絵本でした。