えほんの本棚

おとな目線で読む絵本の世界をご紹介します

【レビュー】もったいないばあさん:真珠まりこ

 

 

 

感想・あらすじ

わたしたちは日々、色々なものを捨てる生活をしている。

牛乳を飲めば、空いた紙パックを捨てる。

卵を焼けば、その殻を捨てる。

私たちの生活は、朝から不要になったものがたくさん生まれては消えてゆく。

 

もったいないばあさんは、食べ残しをした男の子の元へやって来る。

「こんなに残してもったいない」と言って、残したものを食べてしまいます。

 

歯磨き中にお水を出しっぱなししてると、やっぱりやって来る。

 

「もったいない、もったいない」

 

とうとう男の子は泣き出してしまうのですが、その涙ももったいないって!(笑)

 

 

 

 

最初はいつでも現れるおばあちゃんがちょっと怖かった。けれども「もったいない」からは、いろんなアイデアが生まれ、新しいものとの出合いがある。

おばあちゃんは、捨てる前ににもうひと工夫して、まだまだ使えることを教えてくれる。

 

泣いていた男の子もいつの間にか、もったいない精神を楽しんでいます。

 

「もったいない」って思うことは、「まだ何か使えるかも?」と、考えることなのかもしれないですね。

 

この絵本は筆者がお子さんに「もったいないって、どういうイミ?」と聞かれたことから作られた絵本だそうです。

 

「もったいないを言う人」=ケチ、物を捨てられない人って、なんとなくイメージしがちだけれども、「もったいない」=「おもしろい」というイメージを子供たちが持つということも大事。本書はそんな一冊になっていると思います。

 

あなたのそばにある「もったいない」。気づいてあげて。新しいアイデア待ちです!