ねえさんといもうと :シャーロット・ゾロトウ著のレビューです。
親離れという時期が確かにあるということ、大人なら知っているけれど、姉離れ、兄離れというものもあるのだなぁ......と、ちょっと新鮮な気持ちで読んだ。と言うのも、わたしは一人っ子なので、こういう経験がなく、ただただお姉さんやお兄さんがいる人が羨ましかった。
このえほんは姉妹のはなし。いもうとにとっておねえさんは、いわば小さなお母さんのような存在です。学校へ行くときも、遊ぶときも、泣いてしまったときも、いつもおねえさんが世話してくれています。そして、「そうじゃないわ」「こうよ」と教えてくれ、いもうとはその通りします。
しかしいもうとは......
なんだか ひとりになりたい とおもいました。
あれこれ言われることに、あきあきしてしまったのです。
そして、いもうとは一人で家を飛び出して、くさはらの中に入って行きました。
当然、おねえさんは心配していもうとを探しに行きますが、なかなか見つかりません。
必死に探すおねえさん。そして・・・・。
おねえさんだって、言ってみればまだ子供。
いもうとを守ろうと必死でいたけれど、泣きたくなるときだってあるんだよね。
いつもは頼りになるおねえさんにも泣くことはあります。
いもうとはそんなおねえさんの弱さに気づきます。
そろそろ姉離れする時期がやって来たのでしょう。
小さなふたりの世界から、やっぱり姉妹っていいなぁーって感じました。
おねえさんのいる方は、こんな気持ちだった日々がきっとあったのではないかな。
絵と訳は酒井駒子さんです。淡い色彩が美しい。特に、自然のなかに居る子供の姿がのびのびとして気持ちよさそうです。