えほんの本棚

おとな目線で読む絵本の世界をご紹介します

【レビュー】せかいでさいしょのポテトチップス:アン・ルノー

 

 

みんなの好きなポテトチョップス。

一体、こんな美味しいお菓子、誰が発見したのだろう?

・・・なんてことは、ほとんどの人は考えたことがないだろう。

 

 

素晴しい商品は、お客様のクレームから生まれたなんてことがよくある。

厳しい指摘があったからこそ、改良を重ね、みんなに愛される商品になる。

ポテトチップスも、まさに一人の気難しい紳士のクレームから生まれた食べものと言えよう。

 

料理が大好きなジョージ・クラムさんは、料理が好きすぎてお店をはじめてしまいます。クラムさんのお料理はお客さんに大好評!

 

そんなクラムさんのお店に一人のおとこがやって来る。

 

彼のオーダーは、

「ポテトをどっさり食べさせてほしい」

 

こだわりやと言われるこのおとこ。嫌な予感です。

 

案の定、ポテトを出すと、「ぶあつい」

 

こんなやり取りが何度も続きます。

小指を立ててフォークを持つ手にイラつきます。

どうなることやら・・・・。

 

*********

 

やがて、クラムさんはおとこの気に入るポテトを作ることに成功します。

「気に入らないなら帰ってくれ!」なんて言わずに、クラムさんはコツコツと謙虚にポテトを作り続けます。

 

今までだってクラムさんのポテトは大人気だったのです。それでも、ひとりのおとこのわがままな注文に応えようと努力する。まさにピンチをチャンスにかえて、さらに人気のお店へと発展させたのでした。

 

この話を知ってから食べるポテトチップスは、少しだけ特別なものに感じられるかもしれませんね。