旅ってある場所からある場所へ移動すること。誰もがそういうものだと思っている。
でも、このえほんを読んでいると、旅はひとところに居てもできるものなのかも?って思わされました。
「ぼくのたび」、すてきな話です。
ちいさいホテルのオーナーが主人公。
毎日旅人をもてなす仕事をしている彼にとって、旅にでることはなかなか難しい。
そんな彼はホテルの仕事を終え、ベッドに入ると、遠くへ行きたい気持ちがこみあげてくるのです。
さぁ、この時間は彼だけの旅の時間。
したいこと、会いたい人、思いのままに飛び回ります。
しかし、また朝が来てホテルの一日がはじまります。
彼は、たくさんのお客さんからの手紙を読み、
いつか本当の旅に出ることを考えながら過ごすのです。
この町を出たことのない「ぼく」が思いを馳せる旅。
いろんな国の、いろんな人々から届いたりする手紙が、どんなに彼の時間を豊かにしているかが窺えます。ホテルに居ながらも、すでに旅をしているような毎日がとても良い。
そして、いつかかならず、彼はおおきなかばんを持って、わたしたちの町にやって来るにちがいない。今度はわたしたちが彼をおもてなしをする番です。....なんてことも思わされました。
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みやこしさんのえほん、いいですねぇ。
このえほんも、「よるのかえりみち」の雰囲気が漂っていました。
もしかしたら、同じ町かしら?
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